
パワーアシストスーツは今後どのようにして普及していくのか。市場規模の展望を見てみましょう。
2019年に続々と実用化
パワーアシストスーツ自体は以前から商品が既に販売されていましたが、その多くが非常に高価であり、世間に普及しているとは言い難いものでした。
2019年に入ってから、10万円台で購入できるようなパワーアシストスーツが日本でも続々と発売され、ようやく業務用・家庭向けに手の届く商品となりました。

市場規模の見通し
ようやく「離陸」したパワーアシストスーツの市場。今後どのように成長していくのか展望を見てみましょう。
5年で4倍に急成長との予測
日本能率協会総合研究所は2019年2月に、パワーアシストスーツの市場規模の予測を行いました。

この予測によれば、2018年度のパワーアシストスーツの市場規模は2000台程度であったのに対し、2023年度は4倍の8000台にまで成長すると見込まれています。
2020年がパワーアシストスーツ元年に
上でも紹介したように、2019年に手の届きやすい商品が続々と発売されたことや、2019年末にイノフィス社が大々的にテレビCMを流したことで認知度が飛躍的に高まりました。また、日経トレンディのヒット予測でも、2020年にパワーアシストスーツが挙げられるなど注目が高まっています。
2020年が「パワーアシストスーツ元年」となるでしょう。
一家に一台にはならない?
今後普及の拡大が見込まれるパワーアシストスーツですが、「一家に一台」という時代が来ることは無いか、あるいは当面は来ないと言えます。
上で紹介した市場規模予測でも、2023年度の販売台数は8000台程度と見込まれているわけで、一家に一台とは程遠い台数です。まだまだ価格が高価である点や、一般家庭で必ずしも必要な商品ではないことが理由として挙げられるでしょう。
例えば2018年の乗用車の販売台数ランキング46位の三菱アウトランダーの販売台数は9143台でした。街でアウトランダーを見かける機会がそれほど多くは無いことをイメージすると分かりやすいかもしれません。

とはいえ、高齢化の進展や人手不足など、パワーアシストスーツを必要とする人は社会に多数存在しています。自宅で介護をしている人や、仕事の現場で大いに活躍することは間違いありません。