
徐々に注目を集め始めているパワーアシストスーツ。何が良いのか、そして何が悪いのかを分かりやすく解説します。
パワーアシストスーツのメリット
まずは「何が良いのか」を分かりやすく解説します。
重いものを軽々持てるようになる
パワーアシストスーツは装着することで「第二の筋肉」として作業者の作業を補助する器具です。
例えば荷物の積み下ろし作業は腰に大きな負担が掛かりますが、パワーアシストスーツを着用することでその負担が大幅に軽減されます。

一般的なパワーアシストスーツでは、最大で25Kg程度のアシスト力があり、重い段ボール箱でも「数100gに感じる」ほど軽々と持ち上げられるようになります。例えば介護に使う場合、50Kgの高齢者を持ち上げる際の負担が半分の25Kgになります。
パワーアシストスーツの活躍が特に期待されている農業や介護、物流の現場はいずれも人手不足が深刻なところでもあります。パワーアシストスーツが普及することで、これまでそうした分野に進出していなかった高齢者や女性が働き手として活躍できるようになります。
負担感が軽減されるだけでなく、実際に作業者の体に掛かる負担が軽減されるため、腰などへの負担も軽くなります。
装着しても身軽に移動できる
重量があるものの移動を補助する器具はこれまでも世の中に数多く存在していました。しかしパワーアシストスーツがそれらと根本的に異なるのは、作業者の体に容易に装着することが出来、そして移動に制約が無い点です。
何か専用の器具を使うのではなく、作業者自身の身体能力を拡張できると言えば分かりやすいでしょうか。電源ケーブルなども無いため、装着したまま自由に歩き回ることが出来るため、作業工程全体の生産性を低下させることがありません。

リハビリなどへの活用にも期待
パワーアシストスーツは医療分野での活躍にも期待が集まっています。ケアをする際に介助者のサポートをするだけでなく、歩行などのリハビリを行う際に患者が使う補助具としての活用も検討が進められています。
海外では四肢麻痺の患者が脳波で操るパワーアシストスーツを着用することで、再び手足を動かすことが出来るようになった事例もあり、障がいを持った人の行動を支える道具としても活用が期待されています。
パワーアシストスーツのデメリット
続いて、現状でデメリットであると言える部分を紹介します。
本体価格がまだまだ高い
かつては50万円以上と高価だったパワーアシストスーツは低価格が進み、10万円台で手に入るものも登場しています。
とはいえ、10万円台という価格はまだまだ誰の手にも届くとは言えない価格と言えるでしょう。今後のさらなる低価格に期待したいところです。
機器自体に重量がある
パワーアシストスーツを装着することで作業が非常に楽になるのは間違いないと言えますが、本体自体に数キロの重量があります。
また、本体も人間の肩幅程度の大きさがあるものが多いため、持ち運びや保管の際に不便を感じる場合もあるでしょう。
着脱が少々面倒

パワーアシストスーツはリュックのように背負って、いくつかのベルトを留め具で固定することで誰でも簡単に、一人で着用が可能です。しかし、慣れないうちは着用に1分前後の時間が掛かります。
着用したままでも自由に動き回れるのは上でも指摘した通りですが、例えば箱を一つだけ積み下ろししたい時などには、着脱の手間を面倒に感じるかもしれません。
また、充電が必要だったり、あるいは電源を必要としないものは空気入れで空気を入れる作業が必要となるものもあります。
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