
2020年から日本でもいよいよ普及が見込まれるパワーアシストスーツ。この問題点と課題を整理します。
アシストスーツの問題点と課題
本体価格が高い
最も大きな課題は本体価格の高さです。
パワーアシストスーツは様々な商品が登場し、中には従来品と比べて「低価格」な手の届きやすいものも増えつつありますが、その価格は最低でも10万円台からとなっています。
業務用としては導入しやすい価格にまで低下しつつありますが、家庭用としてはまだまだ手が届きにくい価格と言えるでしょう。
今後普及に伴い、量産されていくことで製造コストが下がり、販売価格が下落していくことに期待したいところです。

着脱に若干の手間が掛かる
パワーアシストスーツを実際に着用した人の感想としてよく聞かれるのが、着脱時の手間です。
使用者一人で脱着出来るものが多いとはいえ、装着するのに1分程度の時間を要するものが多いです。イメージとしては、リュックを背負うよりもやや手順が多いです。
関連記事:パワーアシストスーツの使い方
例えば重量のある箱をいくつも積み降ろしたい時にはパワーアシストスーツの脱着の手間はそれほど大きな負担には感じないでしょうが、箱を1つだけ下ろしたい時など、ちょっとした作業をするだけの時には負担感があると思います。
また、電源や動力を必要としないパワーアシストスーツの場合、空気ポンプで空気を入れる手間も必要となります。空気入れで30~40回ほどポンピングする必要があります(空気を入れる作業は、丸1日の作業でも一日一回程度で済む)
持ち上げ・上向きなど特定の動作しか出来ない
市販されている多くのパワーアシストスーツは、一台であらゆる動作に対応できるわけではありません。例えば持ち上げる動作のみ、上向きの作業のみといった形で用途が限定されている場合があります。
複数の作業を組み合わせて行う場合には、パワーアシストスーツの「使い分け」が必要となるでしょう。
本体自体に重量がある
パワーアシストスーツは、その本体自体にもそれなりの重量があります。試作品段階では40Kgを越えるようなものもありましたが、その後の開発の進展により大幅な軽量化が進んだものの、最軽量級のものでも数キロの重量があります。
装着することで間違いなく作業が楽になるものの、例えば持ち運びの際には課題となる場合もあるでしょう。大きさも人間の肩幅以上のものが多いので、保管場所を取るのも課題と言えます。